出産までの長い道のり ②
今回、かすみの出産が 「難産 → 帝王切開」 になった原因はふたつほどあります。
ひとつは 「陣痛微弱」 です。
文字通り陣痛が微弱な状態で、母犬が自力で強い陣痛を発現できずに子犬が子宮からうまく排出されなくなります。
胎子数が多い場合などは当然何度も分娩を繰り返すわけですから、次第に母犬にも疲れが出てきます。そうなると強い陣痛がこなくなって微弱な陣痛が続くわけです。そういう場合に陣痛促進剤を投与することで強い陣痛を促すことができます。
かすみの場合は胎子が2頭と少ないですから、このケースには該当しませんね。でも、陣痛が弱かったという事実は否めないでしょう。
もうひとつ他にも理由があるんです。
それは 「臓器の癒着」 です。
「臓器の癒着」 とは何ぞや? と思われる方もいらっしゃるでしょうが、まずは聞いてください。
かすみは過去に出産歴があります。
当時のかすみは我が家の子ではありませんでした。別にオーナーさんがいて、その方が交配・出産をしたわけです。私の家には猫しかいませんでした。
で、産まれた子が ミント なのです。
ただ、その時の出産は帝王切開だったそうです。
この時の胎子数は3胎でしたが、1胎はすでにお腹の中で死亡しており、まだ出産には1週間以上も早い段階でしたが、緊急の帝王切開になりました。
そしてもう1胎も死産となり、残った1胎のミントも未熟児の状態で取り出されました。
帝王切開での出産は母犬が子育てを全くしないことも多いそうですが、かすみもご多分に漏れず子育て放棄状態だったそうです。まだミントは産まれたばかりでしかも未熟児なのに・・・
それから苦難を経て見事に回復し、現在に至ります。
本来なら死んでいてもおかしくない状況から見事に復活したミント。だから、我が家では、少なくとも私にとってミントは奇跡の犬なんです。現在では病気知らずで健康そのものです。
ミントをお守り代わりに病院へ連れて行った・・・ というのがおわかりになるでしょうか?
帝王切開に限らず、手術に 「簡単な手術」 というのはないそうです。
手術のほとんどは全身麻酔下によっておこなわれるわけですから、麻酔による命の危険も伴いますし、患者の体力が衰えている場合などは、仮に手術が成功したとしても術後に命を落とすことだって充分考えられます。
そして、「簡単な手術はない」 という理由のひとつは、この 「臓器の癒着」 の問題があるのです。
これも言葉通り 「臓器と臓器が癒着、くっ付いてしまうこと」 を指します。
帝王切開は開腹して子宮から胎児を直接取り上げるのですが、その際に周囲の臓器に刺激を与えるなどして傷がついたりすると、その損傷した臓器同士が互いにくっ付いてしまうという現象が起こります。これが臓器の癒着です。
ですから手術の際には慎重に慎重を重ね、流血を拭うときも丁寧に、臓器の切除や縫合なども細心の注意を払っておこなう必要があるそうです。そうしないと臓器同士が癒着してお腹の中が大変なことにもなってしまいかねません。
「開腹した時と同じ状態で閉腹してあげる」 ことが手術の際にはとても大事なことだそうです。
今回かすみが帝王切開をした際に担当の獣医さんが発見してくれたのですが、何とかすみの子宮の産道部分と、それに近接した膀胱が癒着していたんです!
ちょうど胎児が通る産道が膀胱と癒着していたためにその通路部分が狭くなり、それによって胎児の通過障害が起きていたようです。
いくら陣痛が弱かったとはいえ、かすみのお腹は何度も緊張して硬くなっていました。陣痛は来ていたんです。ですが、この 「癒着」 によって産道が狭くなっていたために子犬が中々外に出て来れなかったのではないかと推測しています。
以前から人も犬も 「帝王切開で出産すると、2回目も帝王切開になる確率が高い」 というのは何度も耳にしています。
何度も何度も耳にしていましたが、正直最初は何のことかと意味がわからず、かすみの場合も無事に自然分娩できるものだろうと思っていました。ですが、これでようやくその意味が理解できました。
「骨折後に骨が再生すると、折れる前よりも丈夫になる」 という話を聞いたことはないでしょうか? 子宮にもこれが当てはまるのです。一度切開した子宮の壁は、縫合後に再生すると以前よりも厚くなってしまうそうです。それによって産道が狭くなることもあります。
帝王切開で出産すると、閉腹後のお腹の状態がどうなっているのかわかりません。今回のかすみのように子宮が他の臓器と癒着して、結果として難産になるケースもありますし、ひょっとすると獣医の縫合などの処置が悪くて子宮がダメになっているケースもあるでしょう。
ですから、一度帝王切開で出産したらその後も帝王切開にならざるを得ないのだと思います!
妊娠をさせるたびに、わざわざ交配前に全身麻酔でお腹を切り開いて子宮の状態を確認する・・・ そんなブリーダーがいるとしたらかなり奇特な人間です。人間の医者でもそんな人はいないでしょう。もし居るとしたらきっと人権侵害で訴えられるかもしれませんね。
手術は怖いです!
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コメント
犬は安産っていいますよね。
それにかすみちゃんはお産経験があるし
(帝王切開のことは今、知りましたが。。。)
小型犬でもないし大丈夫って思っていました。
子宮の産道部分と、それに近接した膀胱が癒着していて
かすみちゃんは、痛みとかなかったのでしょうかね。。。
ミントパパさんの冷静な原因究明および判断には
頭が下がります。
大切な可愛いワンちゃんのことですものね。
投稿: NON | 2008年6月 3日 (火) 10時22分
帝王切開で、臓器がくっつく!?
おそらくめったにない事なんでしょうが、一華もプーキーも帝王切開だったので他人事ではないです。
↑私もかすみちゃん自身はなんともなかったのか不思議です。
パパは初出産ですごい事を経験されましたね。。。
しっかり現実も見つめて感心してしまいます。
今は辛く悲しいと思いますが早く元気になってくださいね。。。
投稿: りんご | 2008年6月 3日 (火) 10時34分
友人の所のダックスの脳みそが出た状態で産まれましたがすぐにお星さまになりました。同じ帝王切開をするのも獣医の腕によってかか時間も違うと思います
せっかく無事に産まれても1週間以内に無くなったり、母犬に食べられたり潰されたり本当に色んな事があるなか当たり前のように大人になっているように見えるけれど健康に育つのは凄い事だと思います。うちの子ももしかしたらみんな無事には無理かもと獣医さんにいわれました。普通の子よりもとても小さかったです
自分の家の子の子供がほしいからで安易な人も沢山いるけれど万全の体制でも
とても難しいことだと実感しました。
みんな元気になってください
BABYちゃんが安らかに眠れますように
投稿: めぐぽん | 2008年6月 3日 (火) 16時07分
今回の出産経験が無ければ癒着になっていたということに気づかなかったのですね。これは、治せるのでしょうか?
交配・出産は大変なリスクがあること、勉強になりました。
かすみちゃんの完全回復・パパさんママさん元気になりますように。
投稿: ケリーボブママ | 2008年6月 3日 (火) 16時29分
NON様、私もかすみならうまく産んでくれそうと思っていましたが、それは大きなお産でした。やはり一度帝王切開をしている子は二度目も切開したほうがよさそうです。
手術は怖いですね。どんな手術でも癒着の恐れはあるみたいですよ。お腹を切り開くような大手術なら尚更です。
投稿: ミントパパ | 2008年6月 3日 (火) 17時03分
りんごさん、手術による癒着はどんな手術でも起こりうるみたいですよ。開腹手術ならなおさら危険度が増します。かすみが帝王切開歴があるということを獣医に相談していたのですが、その時から「癒着の問題が・・・」としきりに話していたんですよね。最初は「何のこと?」と思っていましたが、ようやく謎が解けた感じです。でもすでに遅いですけどね。
何だかこの一件以来、身体がムズムズとかゆくて仕方ないです。ジンマシンでもでそうな感じです。
しばらくは他人様の犬を見る気にもなれないですね。子犬は尚更・・・
当分はミンかすティと楽しく戯れることにします。
投稿: ミントパパ | 2008年6月 3日 (火) 17時07分
めぐぽんさん、知人宅のワンちゃんも色々大変な思いをされているんですね。
出産はやはり難しいものだと、自分で経験してみて始めて気づきました。当分お産を手掛けることはないと思います。勇気が出ません。
今、こうやって目の前にいる愛犬達が健康でいられること自体、奇跡なのかもしれないですね。そう思いたいです。
投稿: ミントパパ | 2008年6月 3日 (火) 17時10分
ケリーボブママ、かすみの切開手術をしてくれた獣医さんも、この子宮と膀胱の癒着に手間取ってしまったそうです。一度臓器が癒着してしまうとかなり厄介みたいですよ。もし愛犬の手術の予定があるときなどは注意してください。でも、緊急の手術の場合などは頭が痛いですね。どうしようもないですから・・・
やっぱり信頼できる獣医さんを見つけるのが一番かもしれません。でもそれが難しいんですけどね・・・
私も勉強になりましたが、そのための犠牲が大きすぎました。しばらく犬の出産は無理です。怖くてできません・・・
投稿: ミントパパ | 2008年6月 3日 (火) 17時17分